人生の不可逆性

私のチームで最高齢の方は今年の10月に60歳となる。
比較的マイペースに仕事をされている。
たまたま、メンバーのひとりと雑談していた時に、
「俺も、どこかのタイミングでこのチームで一担当営業になって、○○さんのように定年まで働けたりするのかなぁ。」
と言ってみたら、
「EUROさん、この仕事結構大変ですよ。(舐めてちゃダメですよの意)」
「えっ何が?(部下にそんなこと言われるのは意外)」
「いや、体力的にも」
「毎晩接待している方がシンドイんじゃないか?」
「社内での調整も色々とあるし」
「そんなん、今まで散々してきているよ」
そこで会話は止まったのだが、自分が採用し育て、やっと最近一人前になったきたと感じている部下から、「この仕事は甘くはないですよ」と言われてしまったことにちょっとした衝撃を受けた。
確かに私も一担当者としての仕事をしていた時期もあるが、ここ数年はまったくしていない。感覚的には、できて当然という思いだが、実際に取り組んだらどうなんだろうか?自分の部下ほど、うまく仕事ができるのだろうか?
営業という仕事の本質はなんら変わることはないと思うが、時間が経てば、業務のディティールは当然変わってくる。今までの経験で「できる」と判断していることが、もしかしたら「うまくできない」のかもしれない。
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奇しくも同級生の社員が3ヶ月の休職を経て、正式に今月末に退職することが今日オープンになった。(本人が関係者に退職の挨拶のメールを送ったので)彼は、営業→業務→営業(現職)という流れで、一旦営業現場を離れていたが昨年の12月に何年かぶりで一担当者として営業現場に復帰していたのだが、3月頃から会社を休んでいた。
自分のチームではないので、詳細は知らない(という立場だ)が、長期離脱の上での退職なので、いろいろと難しさを感じていたことはまず間違いないだろう。
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今の私は、これまでの営業としての経験値でメンバーを育てつつ、個人としてではなく組織として成果を出すという課題に取り組んでいる。人が育って、私よりコストが安く、今の私の仕事をより上手にできるようになれば、後進に道を譲り、私自身はたぶん新しいことにチャレンジしなければならなくなるのだろう。その時に、これまで来た道を安易に折り返したして、以前はできていたと自分自身が認識していることが、また改めて上手にできるかどうか?
最近、身の回りであったことや部下のコメントから、これは非常に怪しいと考えておいた方が良さに感じている。
歩いてきた道を折り返しても、きっと同じ場所には帰れないのだろう。最後は土塊になるとしても、どこに歩いて行くのか、そして何をするにしても常にチャレンジが待っていることを忘れずに取り組まなければならない。
親父も今の私と同じようなことを考えていた時期があったのだろうか?